どう思われるでしょう?
埼玉県の加藤先生の論文によると、以下のような事が書かれています。
1969年(昭和44年)~1980年(昭和55年)の11年間
毎年1,000人の根管治療の状態を調べた結果です。
根管数 | 歯の種類 | 成功率(レベル4) |
単根 | 前歯と下の小臼歯 |
1.4% |
2根 | 上の小臼歯(小さい奥歯) | 0.7% |
3根 | 大臼歯(奥歯) | 0.2%以下 |
どう、思われますか?多少、びっくりされたんではないでしょうか?
今から30年前の資料ですから、現在はこれよりは良くなって来ているかもしれません。
このことだけでも、難しい治療だと言うのがお分かりになるのではないかと思います。
当院での2010年1月~6月での治療成績を示しておきます。
上の表と良く比べてください。大臼歯に関しては250倍の成功率を誇っています。
根管数 | 成功率(レベル4) | 成功の倍率 |
単根 |
95.7% |
68倍 |
2根 | 100% | 143倍 |
3根 |
50.0% |
250倍 |
これだけの成功率を維持するのは、技術的にも経済的にも大変な困難を伴います。
自分で言うのも何ですが、根管治療に関しては、当院は良くやってると思います。
20年間必死に取り組んで来た結果と言えるかもしれません。一朝一夕には無理です。
根の治療には実は2種類あり、神経を抜いた直後に詰める場合とウミを持った時に詰める場合です。
神経を抜いた直後は細菌の感染に十分留意すれば、レベル4に達しなくても、レベル3位であれば、そんなに悪くはならないと言われています。
症例写真
全て2010年(平成22年)上半期に行った症例です。
レベル4を中心に載せてます。
<結論>
1000人に2人しか成功していないと言うのは、「難しい」のレベルをはるかに越えています。神経外科に匹敵するような高度な技術が要求されます。