こういう風に言われる方もいらっしゃいます。

 

 

入れ歯、差し歯、ツメモノ(補綴物)作りには型取り印象採得インプレッションワーク)が不可欠です。

型取りの上手下手によって、補綴物の良否が決まるといってもいいでしょう。
型取りに使われる材料(以下印象材)には、いろいろな種類があります。
高価なシリコン系印象材もあれば、安価なアルジネート(海藻成分)系や寒天系もありますが、その違いを簡単にいえば、精度(変形が度合い)の違いと考えてください。

保険治療の印象に高価なシリコン系印象材を使う歯医者さんは、まずいないでしょう。
通常、保険治療で使う印象材はアルジネート系です。
でも、安価なアルジネート系でも、臨床的な精度としてはとくに問題ありません。
それよりも精度に関係するのは、型取りするための技術と、石膏の選択(印象材と石膏との相性も)です。

安価な石膏(普通石膏)は、膨張が大きく表面も軟らかいので、こわれやすいことが問題になります。でも、安いので保険治療用としてはよく使われます。
自費治療に使う石膏にも硬石膏とか超硬石膏とか、いろいろと種類があります。

自費治療で使うことが多いシリコン系の印象材は、経時的変化がほとんどありませんが、アルジネート系や寒天系の印象材の成分には水分の割合が大きく、少しでも早く石膏を流し込まないと印象材が乾燥してしまいますので、変形や収縮が大きくなってしまいます。

印象材の変形が大きければ大きいほど、それに比例して、入れ歯や差し歯の適合精度も下がります。

だからといって、いくら高価なシリコン印象材でも、その取り扱いに慣れていない人が作業すると、シワがよってしまったりして、やはり適合精度は下がります。